中世のミソジニー社会で戦ったジャンヌ・ダルクは、19歳で火刑に処されました。しかし、その死後も600年にわたり、多くの人びとの記憶のなかで生き続けています。絵画をはじめ、演劇や映画の題材としても人気です。「異性装」の少女は、どのよう ...
雪深き越後・塩沢の風俗や奇談を記し、江戸期のベストセラーとなった随筆「北越雪譜」は40年の時を要して世に出た。木内昇さんの新刊「雪夢往来(せつむおうらい)」(新潮社)は、そんな名著の数奇な運命をたどった歴史小説。江戸の人気戯作(げさ ...
作家の半藤一利さんのベストセラー『昭和史』シリーズの「戦前篇」「戦後篇」の2冊が新版となりました。授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛された本書ですが、著者はどのような思いのもと、戦争と復興の歴史を語り続けたのでしょうか。そして令和に ...
歴史時代小説で知られる作家の砂原浩太朗さんが、初めての現代小説となる「冬と瓦礫(がれき)」(集英社)を発表した。東京で暮らす主人公が故郷で起きた阪神・淡路大震災を目の当たりにして苦悩するさまを、みずからの体験をもとに書いた長編。震災 ...
阪神・淡路大震災を経験し、神戸で書き続ける高嶋哲夫さん。長編小説「チェーン・ディザスターズ」(集英社)は、巨大地震に大型台風、富士山噴火と、災害の連鎖に見舞われる世界をリアルに描写する。登場人物たちの奮闘ぶりから高嶋さんの強い思いが伝 ...
難病を発症して38歳で透析を始め、2017年に60歳で逝った最愛の夫。生きるために1回4時間以上、週3回の透析を長年続けてきたが、その終末期は耐えがたい苦痛に襲われた。どうやったら痛みが少ない状態で死を迎えられるのか。調べても情報はなかった。緩和ケア ...
計画経済論争の経緯と要点がこれ一冊で良く理解できる本書に日本語版への序文を寄せたソト博士はこう述べています――「私にとって重要な二つの著作『通貨・銀行信用・経済循環』(春秋社、2015年、日本語版出版年)と『オーストリア学派 ...
新たな明日 - 助太刀稼業 三(佐伯泰英、文春文庫) 同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬、ハヤカワ文庫JA) ペッパーズ・ゴースト(伊坂幸太郎、朝日文庫) 青い壺(新装版)(有吉佐和子、文春文庫) 砂男(有栖川有栖、文春文庫) ...
第172回芥川賞(日本文学振興会主催)は、 安堂ホセさんの「DTOPIA(デートピア)」(文芸秋号)と鈴木結生さんの「ゲーテはすべてを言った」(小説トリッパー秋号) に決まった。 賞金は各100万円。
(1)はある若者の、死後の世界をめぐる一夜の旅を幻想的な筆致で語る。主人公は霊からあの世の旅に招かれて飛び立ち、ダンテの『神曲』よろしく地獄の環道から煉獄(れんごく)、そして天国を旅していく。先々で出会う人々は、人生の重大な瞬間をめぐる物語を次々に披 ...
今年は「昭和100年」、あるいは「戦後80年」という言われ方もする。いずれにしろ時代の節目ということになるのだが、確かにこの2、3年来の動きを見ても、時代の変革の鼓動が聞こえてくる。例えば、ロシアのウクライナ侵略戦争をはじめとして、 ...